天井桟敷 映画のはなし -28ページ目

『バンディッツ』

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

バンディッツ〈特別編〉

2001年  アメリカ  原題:Bandits
監督:バリー・レビンソン  

キャスト:ブルース・ウィルス、ビリー・ボブ・ソーントン 、ケイト・ブランシェット 、 トロイ・ガリティ



どっかでみたことある女優さんだと思ってみてたら、「エリザベス」の女優さんでした。
ケイト・ブランシェット。
かなりファンキーな主婦の役だったんですが、彼女の演技があんまりうまくてどきどきしてしまった。


ジョーとテリーは刑務所の脱走に成功、2人で店でももち夢の生活をしようと、逃亡しながら資金稼ぎの手段として銀行強盗を始めます。
彼らの強盗の手口は、

「犯行の前日に銀行の責任者の家に訪問し、一泊させてもらって銀行の金庫の番号などの情報を聞き出し、翌朝責任者といっしょに銀行に出勤。金をもらって、去る」

というもの。
殺人などもってのほかで、けが人さえ極力出さないよう気を配るとても温厚な手口で銀行強盗をしまくるジョーとテリー。

彼らは、強盗に入ろうと狙いを付けた銀行の責任者の家に一泊する手口から お泊まり強盗 と呼ばれるようになり、一躍世間を騒がす存在に。

温厚なこの人ら、いったい何して刑務所入ってたんでしょうねぇ。


ある日彼らは、ケイトという主婦に出会います。
だんなさんとの関係も冷めつつあり退屈な毎日にうんざりしているケイトは、ジョーたちと行動を共にすることになります。

男2人の間に割ってはいる女の人は、大抵なんだかうっとうしいものですが、このケイトはそのうっとうしさがありません、不思議なことに。
ケイトをめぐって、ジョーとテリーは取っ組み合ったりするわけです。

いってもこの映画コメディなんで、血みどろのとっくみあいではないですが。
で、2人は、ケイトにオレらのうちどちらかを選べと、どこかのファントムのように詰め寄ります。
するとケイトは、いうんです。


どちらも選べない、と。
なぜならふたりは、ふたりいっしょで完璧だから、と。

マジ顔で。

普通、この手の軽く電波なことをいわれると、おい、と思ったりするんですが、今回思わなかった。
彼女、ほんとに嫌みがないんですね、芝居に。存在に。
そこがなんか妙にうれしい気分になりました。


タフガイなジョー。神経質なテリー。ファンキーな主婦ケイト。
人物の設定がかなりおもしろいんですが、その設定にそれぞれの役者がまったく負けてない。
ケイト・ブランシェットにしろブルース・ウィルス、ビリー・ボブ・ソーントンにしろ。
負けてないどころか楽しんでるというか。
役者の技量かなぁ。
プロですな。
ラストでは、彼ら最後の大仕事に挑むんですけど、その結末ににやりな私だった。


ちぇき。

『トップガン』



パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

トップガン


1986年 アメリカ  原題:Top Gun

監督:トニー・スコット 

キャスト: トム・クルーズ、ケリー・マクギリス、ヴァル・キルマー、アンソニー・エドワーズ、トム・スケリット




ものすごくアメリカな感じがする映画でした。

なんじゃそりゃ・・・。


ちなみに私はアメリカ人の友人はいないのでよく知りませんが、トム・クルーズこそがアメリカ人というんでしょうね。きっと。


なんだかアメリカンなかんじがかなり濃厚だった気が。


それにしても、トムはやはりオーラがあります。




アメリカ海軍のエリートパイロットをさらに鍛えていく、訓練校が舞台です。


マーベリックは、飛行機操縦の腕は天才的なんですが、めちゃくちゃな飛行をするために、周りから疎まれている様なヤツです。


少々天狗になっているこのマーベリック、どの辺で改心(笑)するのかなぁと思って待ってたら、親友の死 で改心しました。


原因は明らかに「事故」だったんですけど、マーベリックは自分のせいで彼が死んだんだと、自分を責め始めます。


かなり落ち込み飛行機に乗ることに恐怖さえ感じるようになり、パイロットを辞めようかとまで考えるマーベリック、どの人が立ち直らせるのかなぁと思ってみていたら、厳しい教官が立ち直らせました。




男の人が、人生のなかでがくんと落ち込んだときには、すてきな彼女の存在よりなによりも、渋いオヤジ(風)の押しつけがましくない存在言葉でしょう。

なんか安心するし。




この厳しい教官をトム・スケリットさんが演じてますが、かなりでうれしくなりました。

マーベリックは、事故後、落ち込むだけ落ち込みますが、どうにか立ち直ってパイロットに復帰します。

その直後、緊急事態が起こって、エリートばかりが集まるこの訓練校の中でもさらに優秀な何名かは実際の戦闘にかり出されることになりました。

もちろん、マーベリックも指名されます。

私は、飛行機ましてやアメリカの海軍の飛行機なんぞ全くの管轄外ですが、なんでも海軍のこの飛行機には2人で乗るらしいんですね(あ、常識?)。

マーベリックの死んだ親友は、マーベリックといっしょに飛んでいて事故って命をおとしました。

マーベリックだけが生き残ったわけです。

当然、そんなマーベリックと組んで飛ぼうと言う人はいなくなります。

そりゃそうだ。

おっかないですからね。


で、ここで厳しい教官が言うんです。



「誰もいっしょに飛ぶやつがいなかったら、言え。オレがいっしょに飛んでやる」


渋い!最高です。




ヴァル・キルマーがトムのライバル役で出てました。

コレがなかなかの好演。

彼は最近どこら辺にいますか?

ここのところ、発見していないなぁ。






あと、吹き替えについてひとこと。

今回TVでみたんですが、主要人物の声の区別がつきにくかったんです。

特に、戦闘シーン。コックピット内で必死に操縦するパイロットたちがかっこいいんです、臨場感もあるし。

ただ、彼らヘルメットかぶってますから顔の判別が少しつきにくく一瞬ですけど、だれだ、これ?になるんですね。


で、声も、トムの人か、キルマーの人か、どっちだ?という感じになって、ちと困りました。

私が、単にシロウトちゃんなだけかな・・・(泣)。




ちぇき。

『ダウン』

タイトル: ダウン DOWN~スペシャル・エディション~

2001年 オランダ/アメリカ 原題:DOWN
監督:ディック・マース 
キャスト: ジェームズ・マーシャル、ナオミ・ワッツ、エリック・タール、マイケル・アイアンサイド



ナオミ・ワッツ?

いや、主役は ジェームズ・マーシャル だろうよ。

存在感、演技からいって一目瞭然。


ニューヨークの超高層ビルのエレベーターで、止まったり速度が急に速くなったりと事故が多発。
ビル関係者たちはよくあることと楽観していたが、ついに死者がでてしまうことに。
その後もこのエレベーターの殺傷力はますますエスカレートていき、ビル関係者から一般市民までと犠牲者は増えるばかり。

このエレベーター、上の階へいけば天井をエレベータごと突き破って爆発。
下の階へいけば、底が抜けてしまったりと、とにかくやりすぎる。

これだけ犠牲者がでていても、「大丈夫。安全です」といいきるビル管理者側にある意味男らしさを感じるた私だ。
さらに、明らかに「大丈夫。安全」じゃないエレベーターを利用することをやめない客たちにも喝采を送りたい。


すごい世界・・・(汗)。


このエレベーターに挑む多分ヒーローがエレベーター技師のマーク。
この映画、まぁ、明らかにB級なんですが、うっかり目が離せなくなってみてしまったのは、マーク役の人の意外な好演のせいかもしれない。
なんでナオミ・ワッツが主演ていわれてるのかが少し不思議。

美人で演技もうまいのだけど。



ちなみにこの映画みてる時思ったのが、今後怖くてエレベーターに乗れなくなるのでは?ってことだったんですが、全く心配いりませんでした。

じゃんじゃんのれます。

きっと、黒幕の博士の人のおかげです。
人を殺す画期的なエレベーター作ったこの博士があまりに見事な悪人面で、ちとうけた。
ちなみにこの博士、なにもエレベーターで人を殺すのが目的なのではなく、自分の意志で動くコンピューターを作り出して、人々の役に立ちたかった、みたいです。
大きな成功の為に、多少の犠牲を払うのは当然だと、さらに悪人面して言ってました。


ただ。
何事も、やりすぎはいかんよね。


なぜかちょっとフランケンシュタインを思い出したりした。
怪物とそれを作り出す博士ってことで。
博士役はマイケル・アイアンサイドさん。カナダのジャック・ニコルソンと言われているらしいんですが。


ちぇき。


『トレインスポッティング』

タイトル: トレインスポッティング 特別編

1996年 イギリス 原題:Trainspotting

監督: ダニー・ボイル   

キャスト:ユアン・マクレガー、ロバート・カーラ、イルケリー・マクドナルド、ジョニー・リー・ミラー、ユエン・ブレンナー 、ジェイムズ・コスモ


ヘロイン中毒のレントン(ユアン・マクレガー)は、いつも連んでいる仲間たちと愉快ででたらめな日々を過ごしていた。ロンドンで仕事を見つけたものの、仲間たちのせいで結局クビになってしまう。ある日、仲間の1人が、大量のドラッグを売りさばく仕事を持ってきて話に乗ろうとレントンたちを誘い、彼らは思った以上のやっかいごとに巻き込まれていくことになるのだが・・・・。



麻薬というとなんとなく、ヤバげな色っぽさを思い浮かべる私ですが(それもどうかと思いますけども 汗)、この映画はそんな甘めな色っぽいとかを求める隙間がなかったです。
いや、壮絶なんですよね、麻薬中毒者の日常って・・・。
多分コレが、麻薬の現実なんだろうなぁ。悲惨でどんよりしてて、ちょっと息苦しくなりました。
麻薬にしても違うなにかにしても、やめたくてもやめられないって、こわいよねぇ。
もう救いがなくて。


仲間のなかに子持ちの人がいてるんですけど、その人の赤ちゃんがちょっと、いえ、かなりかわいそうでした。
というか、エグい(涙)
みんなでいつものように麻薬をやって、何日もトリップして意識がなくなってしまうのですが、彼らがようやく意識を取り戻した時には、赤ちゃんが死んじゃってるんですね。何日もミルクもらえなくて。
その死んじゃってる赤ちゃんがかわいそうで、なおかつかなりリアルでいっそう「ああ・・・(悲壮)」となりました。
この赤ちゃんを死なせてしまったことに、この子のパパとママは半狂乱に、レントンたちもとにかく呆然とするんです。その時に、あまりの哀しさにいたたまれないその子のパパがレントンに
「何か、言葉を言えよ(つらすぎるから)!」っていうんです。
それに対してレントンは「ヤクを作るよ・・・」って、いう。


ヤクを作るよ・・・


墜ちてますねぇ、彼ら。
レントンは、たくさんある他のどんな言葉でなく、こう答えるんです。

元気づける為に、救われるために、やはり彼らは麻薬に頼るしかなくて、絶望感が溢れてる気がしました。


この映画、多分1970年代付近が舞台になってると思うのですが。
気になるのは、70年代モノ映画って、若者が出てきてはみんなヤク中なんだが(←いいすぎですな、これ)、ほんとにあの時代のアメリカやらイギリスやらって麻薬がそんなに往航してたんですかね。
みんながみんなじゃないにしろ、それこそコンビニいけば手に入るぐらいの、かるい感覚で若者は麻薬やってたわけでしょうか?
てか、今もそうなんですかね。
誰もがやってて、常習になるかならないかの瀬戸際で、中毒になるもならないも紙一重なわけか・・・。


[以下、ネタバレ]




ユアン・マクレガーの演技、分かってはいたが、うまい。
表情のリアルさかなぁ。なんとなか、お腹になにかもってそうな一つの感情だけではなさそうな表情がいい。
ラストのシーンで、レントンは仲間のみんなで盗んだ大金をひとり持って逃げちゃうんですけど、そのときレントンはいうんですね、
ナレーションで。
オレが、みんなを裏切って逃げる理由?
オレが、悪人だからだ。


言い切るんですねぇ、自分を悪人だと。
で、この時のレントンのはつらつとした顔。印象に残ったなぁ。
彼は、仲間を思いやるやさしさがあるし、そのやさしさのために優柔な面もあるんだけど、その正体は 悪人だった、っていう。
最後に、おお!と思った部分。



疾走感。
ちぇき。

『ワン・モア・キス』

メディアファクトリー
ワン・モア・キス

1999年 イギリス 原題:ONE MORE KISS

監督:ヴァディム・ジーン  

キャスト:ヴァレリー・エドモンド、ジェラルド・バトラー、ジェイムズ・コスモ



シェフのサムは妻のシャーロットと幸せに暮らしている。そこにかつての恋人だったサラが戻ってきた。
サラは重い病気で死が近いとを宣告される。
先が長くないのなら、悔いなく行きたい。
彼女は、最後のひとときを愛するかつての恋人サムと過ごす為、故郷へ戻ってきた。
昔のように、恋人だったあの頃のように過ごしたいと切望するサラ。
サムは、愛する妻と余命幾ばくもない元恋人の間で苦悩だった。



おもわず、もしや公開不倫では・・・?と思ってしまいました(汗)


結局、サムとサラは以前の、恋人同士だったの時代から、いま再会するまでの間、ずっとお互い愛しあっていたのだという印象をうけました。
離れていた(別れていた)年月も含めて、お互い心の中では愛しあったままだった、と、そういうことですね。

てことは、サムはいずれにしても奥さんの元を去ることになっただろうなと思うのです。
彼の奥さんがもっと激しくサラとダンナさんとの関係を反対したとしても、逆に快く受け入れてあげていたとしても(理解ある妻として)、サムの心はやはり元恋人のサラに捧げられていたのだから。
奥さんとしてはやっぱり辛い現実だろうな。


サラは、最後のひとときを幸せに過ごしたい。

サムは、昔の恋人をできるかぎり支えてやりたい。

奥さんは、ささやかな幸せを守りたいだけ。

彼らのとった行動が、それぞれよかったのか悪かったのか、どちらでもないのかとかんがえると、せつなくなります。


サムの気持ちも分からないわけではないんです。
だって、たとえ“かつての”だとしても、サラは愛する女性に違いない。
その彼女が、あとわずかしか生きられないという、彼女の存在がこの世から消えてしまうという現実がある。
だとしたら、やっぱりサラのそばにいてやりたいと、このサムに限らず、思うと思うのです。


もしかしたら結局はサムが一番つらいのかもしれない。


それと、脱線しますが、バトラー氏のシェフ姿はかなりよいきがします(笑)
で、若い!ゆえにかわいい・・・・・(照)


スカイダイビング!
ちぇき。